伝動ベルトの種類 ⑤ゴム製タイミングベルト
三ツ星ベルトの主力製品である、伝動ベルトのうち、ゴム製タイミングベルトについてご紹介します。
ゴム製タイミングベルト
心線には通常ガラスファイバーコード、歯ゴムには機械的強度の高いクロロプレンゴムが使用されており、ベルト歯面は耐摩耗性に優れたナイロン帆布で保護されています。
近年では、心線にガラスコードより伸びの少ないカーボンファイバー、歯ゴムにクロロプレンゴムより機械的強度が高い高硬度H-NBR、歯布にナイロンよりも耐摩耗性に優れるテフロン繊維を使用した高負荷用タイミングベルトも開発されています。
ゴム製タイミングベルトの用途
コピー機やプリンターなどのOA機器
コピー機やプリンターなどのOA機器には、古くから多くの小型タイミングベルトが使用されてきました。プリンターにおいては歯ピッチが0.5㎜という超小ピッチのポリウレタン製タイミングベルトも使用され、印刷精度の向上に貢献してきました。
ロボット
垂直多関節ロボットの手首部の曲げやひねり・水平多関節ロボットの先端軸の上下や旋回および直行ロボット・サーボプレス・ロボシリンダ―のボールスクリュー駆動に歯ピッチが2㎜ 3㎜ 5㎜の小型のタイミングベルトが多く使用されています。タイミングベルトを使用することにより、ロボット先端部の慣性質量を低減し高速化と高い位置決め精度に役立っています。
ベルト:メガトルクGⅢ
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電動射出成形機
電動射出成形機の型締め・イジェクター・スクリュー・射出駆動部には歯ピッチが8㎜や14㎜の比較的大型のタイミングベルトが使用されています。
電動射出成形機の大容量化と駆動部のコンパクト化要求に伴い、心線はガラスからカーボンへ、歯ゴムは高硬度の合成ゴムに替わってきました。
また、最近では歯布の耐摩耗性を飛躍的に向上したベルトも多く使われるようになってきました。これにより、同程度の動力を伝達するのに使用されるベルトの幅は当初の1/4程度までコンパクト化が可能となりました。
ベルト:メガトルクGⅢ・ギガトルクGX
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自動車
自動車においては、カムシャフトを駆動するタイミングベルトが多く使用されてきました。しかしながら近年の電動化の流れにより、これらの用途は今後減少してくることが予想されています。
これに替わり、自動車において新たにベルトの採用が進んでいる分野として電動パワーステアリングや電動スライドドアがあります。電動パワーステアリングの駆動は、自動車の電動化に伴う騒音の減少により高い静粛性が求められるようになっており、ギヤなどに替わり、斜歯のタイミングベルトの採用が増加しています。また、電動スライドドアの駆動においても、信頼性の高さから従来のワイヤーなどに替わって多く採用されています。
ベルト:電動ユニット駆動ベルト
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大型2輪車
大型2輪車においては、従来後輪を駆動する部分にチェーンが用いられてきましたが、タイミングベルトは張り直しや注油などが不要で、メンテナンスの良さや静音性に利点があります。
特に近年2輪車の電動化に伴い、後輪駆動にタイミングベルトが使用される例が増加しています。
ベルト:後輪駆動ベルト
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